交通事故でお困りの被害者の方が弁護士を探す場合に、インターネットで探すというケースは多いと思います。

この場合、YahooやGoogleで「交通事故 弁護士」などと検索すれば、東京や大阪などの大都市にある法律事務所のホームページがたくさんヒットします。

また、交通事故に関係するキーワードでYahooやGoogleの検索をかけると、 検索結果ページの所定の位置に、検索したキーワードと連動する広告が表示されます。
これをリスティング広告と言いますが、このリスティング広告でも、東京や大阪などの大都市にある法律事務所の広告がズラリと並びます。

東京や大阪などの大都市にお住まいの方であれば、こうした検索でヒットした法律事務所の弁護士にご相談いただき、その弁護士が信頼できると判断すれば、交通事故の解決をご依頼いただくのがよいと思います。

しかし、青森県にお住まいの方が、遠方の大都市にある法律事務所の弁護士にご相談・ご依頼することには注意が必要です。

すなわち、交通事故の適切な解決に向けて進めていくためには、保険会社とのやり取り、後遺障害等級の認定手続、損害賠償請求の示談交渉・訴訟といった様々な場面で、弁護士との適時・綿密な打ち合わせが必要不可欠です。
そして、こうした打ち合わせは、十分な意思疎通を図るためには、電話や郵便だけでは不十分なこともあり、顔を合わせて打ち合わせをすべき場面も多々あります。

こうした場合に、依頼したのが遠方の大都市にある法律事務所の弁護士であれば、打ち合わせのために多くの移動時間と交通費を負担しなければならず、あるいは、こうした負担を避けるために電話や郵便だけでの打ち合わせに頼り、十分な意思疎通を図れないといった、大きな不都合が出てくるおそれがあります。

また、適正な後遺障害等級認定を獲得するために、弁護士が主治医と面談するなどの医療調査を行うこともあります。
事故状況や過失割合が争われた場合には、弁護士が事故現場に赴き、状況を確認するということもあります。

交通事故の真に適切な解決のためには、こうした現場での活動が必要となるケースが往々にしてありますが、これは地元の弁護士でないとなかなか難しいでしょう。

さらに、大都市にある法律事務所のなかには、多額の広告費をかけて多数の依頼を受け、効率よく案件をこなすために、かなり妥協した賠償金の額で、あまり戦わずにさっさと示談してしまうという、いい加減な処理をするところもあるようです。
そして、大都市にある大きな法律事務所に依頼したときに、必ずしも交通事故の経験が豊富な弁護士に担当してもらえるとは限らず、交通事故の経験のない新人の弁護士に丸投げされるということもあるようですので、注意が必要です。

以上から、交通事故の解決は、きちんと顔を合わせて話ができ、現場での活動にもしっかりと対応できる、地元の弁護士に依頼することが大切です。
ただし、地元の弁護士が全員、交通事故に詳しいというわけではありません。
地元の弁護士のなかでも、交通事故の経験が豊富な弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。