交通事故の被害に遭われ、腰椎捻挫、腰部挫傷、腰椎椎間板ヘルニアといった傷病名で、腰部痛が発症したとしてご相談にいらっしゃる方が多くおられます。
被害者の症状等によっては、発症した腰部痛が後遺障害等級14級と認定される場合もあるのですが、その場合に、賠償額がいくらくらいとなるのか、ご存知でない方が少なくないかと思われます。
ここでは、腰部痛で後遺障害等級14級と認定された方が弁護士に依頼した場合の賠償額について、具体例を挙げてご説明させていただきます。
年収350万円の会社員の方が交通事故に遭われ、腰椎捻挫(あるいは腰部挫傷、腰椎椎間板ヘルニア)で腰部痛の傷害を負った。
事故直後から6か月間・90回程度通院を継続して症状固定と判断され、後遺障害等級14級が認定された。治療費は80万円、通院のための交通費は10万円であった。
また、通院のために20万円分の有給休暇を利用した。
この場合の賠償額は、おおむね以下のとおりとなります
治療費 | 80万円 | 実額。 |
---|---|---|
通院交通費 | 10万円 | 実額。 |
休業損害 | 20万円 | 実額。 |
傷害慰謝料 | 89万円 | 原則として入通院期間によって決まります。 |
後遺障害逸失利益 | 75万7662円 | 350万円×5%×4.3295(5年のライプニッツ係数)※ |
後遺障害慰謝料 | 110万円 | 14級と認定された場合の金額です。 |
病院へ | ▲80万円 | 通常、保険会社から病院へ直接支払われます。 |
合計 | 304万7662円 |
※原則として、腰部痛で後遺障害等級14級の場合には、労働能力喪失率が5%、労働能力喪失期間が5年として計算されます。なお、労働能力喪失期間に関しては、将来にわたる複数年分の失われた利益が一括で賠償されることから、年数をそのまま掛けるのではなく、その年数にわたって賠償額を運用して利潤を得ることを想定したライプニッツ係数という数値を掛けます。この事例では、上記の賠償額となりますが、裁判を提起した場合は、上記の賠償額に加え、弁護士費用・遅延損害金を考慮した調整金が付加されるのが通常です。
このため、上記事例で裁判を提起したとすると、最終的な獲得金額は、330万円~340万円程度となります。
上記の賠償額は、上記の具体例を基にして算出したものですが、個々の事例での賠償額は、被害に遭われた方の年収、入通院期間などによって異なります。
また、専業主婦の方の場合、女性の平均収入をベースにして休業損害や後遺障害逸失利益が計算されます。
なお、兼業主婦の方の場合には、女性の平均収入と実際の収入を比較して、より高い方の金額をベースにして休業損害や後遺障害逸失利益が算出されます。
以上が腰部痛で後遺障害等級14級の賠償額のモデルケースとなります。
しかし、弁護士に依頼しない場合には、保険会社は、会社独自の計算に基づいた賠償額を提示してくるため、上記のモデルケースの金額よりもかなり低額となります(保険会社に裁判となった場合の見込みを伝えたとしても応じることはありません)。
このことを知らずに、低額の賠償額で示談に応じてしまう被害者の方が多くいらっしゃいます。
また、大手の法律事務所であっても、裁判となった場合の8割~9割程度の金額で簡単に妥協して示談をしてしまう事務所もございます。
しかし、当事務所では、満額補償が被害者救済の絶対条件と考えており、そのような妥協は致しません。
当事務所の弁護士は、腰部痛での後遺障害等級14級のケースについて、満額賠償を獲得した実績が多数ございます。
保険会社から提示された賠償額が適切な金額であるか疑問のある方はお気軽にご相談いただければと思います。
腰部痛に関する解決事例はこちらをご覧下さい。
当事務所にご相談ください
交通事故の被害に遭われた方は、大きな肉体的・精神的苦痛を被ることとなります。
また、今後の治療・検査や、後遺障害等級認定、示談交渉・訴訟などの手続について、不安をお持ちになるのが通常であると思います。
適切に検査・治療や諸手続を進めて、適正な賠償金を獲得するためには、できるだけ早く弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
弁護士への相談が遅れると、不利な流れで手続が進んでしまうことも考えられます。
当事務所では、交通事故被害者の方からのご相談・ご依頼を多数取り扱っております。
経験豊富な弁護士が交通事故被害者の方のお話を丁寧にお聞きして、必要なサポートを提供させていただきます。
交通事故の被害に遭われてお悩みの方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽に当事務所にご相談ください。
腰部痛についてはこちらもご覧下さい
●交通事故による腰部痛について
●腰部痛の治療のポイント
●後遺障害12級と14級の違い
●腰部痛での14級認定のポイント
●腰部痛での14級の賠償額モデルケース
●腰部痛のケースでの通院方法に関する注意点
●腰部痛の後遺障害認定に必要な検査