交通事故の被害に遭ったら、必ず警察に連絡してください。
交通事故の被害に遭われた場合、お互いに怪我をしていないから大丈夫と思われたり、事故に遭ったことを大事にしたくないと思われたりして、警察には事故のことを連絡しないで済ませようとお考えになる方がいらっしゃるかもしれません。
また、場合によっては、加害者から警察には通報しないで欲しいと頼まれることもあるかもしれません。
しかし、事故の被害に遭われた場合には、必ず警察に連絡するようにしましょう。
警察への報告義務
そもそも、法律上、交通事故に遭われたときは、負傷のために通報もままならない場合などを除き、事故内容を警察に通報する義務があります。
そして、加害者が事故の発生について警察に連絡しなかった場合には、罰則があります。
加害者が警察に通報することを渋る場合や、そもそもお互いにどちらが加害者であるか分からない場合もあることから、加害者が警察への連絡をしない場合には、自ら警察に通報するようにしましょう。
他方、加害者から示談を持ち掛けられたとしても、その場で示談に応じることは、口約束も含めて、絶対にしてはいけません。
示談内容が適切なものでないことがほとんどであるばかりでなく、示談書を取り交わす際には、清算条項（示談で定めた金額以上の賠償請求をしないという取り決め）が含まれていることが多いため、加害者からの示談の提示に応じてしまった場合には、後に適正な内容で賠償請求をしようとしても、加害者が賠償に応じようとせず、補償を受けることが困難になるという結果につながりかねません。
警察に通報して証拠を確保しましょう
交通事故の発生を警察に通報した場合には、交通事故証明書の交付を受けることができるようになります。
交通事故証明書は、事故が発生したことを証明する証拠となります。
また、物損事故の場合には物件事故報告書、人身事故の場合には実況見分調書などの刑事記録も作成されることになりますが、これらは、後に事故状況や過失割合が争われた場合に、事故状況を裏付ける有力な証拠となります。
他方で、事故の発生を警察に通報しない場合には、これらの記録が作成されることはないため、事故が発生したことすら証明することができないリスクを負うことになり、スムーズに賠償を受けることができなくなるおそれも出てきます。
以上のように、事故の被害に遭われた場合に、警察に通報をしないことは、被害者にとってデメリットしかありません。
大きな事故の場合はもちろん、たとえ軽微な事故であっても、必ず警察に通報するようにしましょう。
