1 事故発生
八戸市周辺郡部在住の50代の男性が、自動車で道路を走行中、センターラインをオーバーしてきた対向車に衝突された事故により、右股関節脱臼骨折、右膝蓋骨骨折、右下肢多発開放骨折、左下腿多発骨折などの傷害を負いました。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は、症状固定後、①右下肢の機能障害として右足関節開放骨折に伴う右足関節の機能障害・右股関節脱臼骨折に伴う右股関節の機能障害・右膝関節の機能障害で後遺障害9級相当、②両足趾の機能障害として右足部開放骨折等に伴う右足指の機能障害・左中足骨脱臼骨折後の左足指の機能障害で後遺障害7級11号、③左足関節骨折後の左足関節痛等で後遺障害14級9号、これら①~③を併合して後遺障害併合6級の認定を受けました。
後遺障害等級の認定手続は、当事務所とも関係のある士業事務所に依頼して被害者請求で行ったものであり、自賠責保険金1296万円を受領したあと、同士業事務所の紹介で当事務所にご相談・ご依頼いただきました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士は、重度の後遺障害が認定されていることから、十分な賠償金を確保するためには、訴訟での解決を図るのが最善であると判断し、訴訟を提起しました。
すなわち、重度の後遺障害が認定されたケースでは、裁判基準による賠償金の額が大きくなり、よって保険会社が支払ってもよいとする金額との開きも大きくなります。
そのため、被害者の救済の観点からは、訴訟を選択するのがベストということになるのです。
4 当事務所が関与した結果
訴訟では、治療期間が約4年間にわたったことから、症状固定日をどの時点とするかが争点となりました。
この争点は、休業損害および傷害慰謝料の金額に影響してきます。
また、依頼者が事故当時に休職中であったことから、休業損害および後遺障害逸失利益の基礎収入額が争われました。
これに対し、当事務所の弁護士は、治療期間が長期にわたった理由や、事故当時の求職活動の状況などを丁寧に主張・立証し、適正な賠償額の獲得に向けた弁護活動を展開しました。
その結果、症状固定日については当方の主張が認められ、休業損害および後遺障害逸失利益の基礎収入額についても当方の主張に近いところでの認定を得ました。
そして、賠償金を4000万円とする内容での裁判上の和解を成立させることができました。
依頼者は、受領済みの自賠責保険金1296万円と合わせて、合計5296万円の受領となりました。
主な損害項目 | 金額 |
---|---|
休業障害 | 1456万円 |
傷害慰謝料 | 394万円 |
後遺障害逸失利益 | 2315万円 |
後遺障害慰謝料 | 1180万円 |
※上記の表の合計額は、4000万円を超えていますが、保険会社が治療中に負担した既払い額や自賠責保険金の受領がありますので、金額に矛盾はありません。
※いずれも、裁判基準の満額を獲得しています。
【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。
5 解決のポイント(所感)
本件は、当事務所の関係先の士業事務所が後遺障害等級の認定手続を行い、当事務所が損害賠償請求を行うという連携関係を活かした解決事例となりました。
当事務所では、交通事故に関係する外部の専門家等との強力な連携が可能であるという強みがあります。