1 事故発生
60代の女性が、信号待ちで停止中に追突された自動車事故により、頭部外傷、頚部挫傷、腰部挫傷、背部挫傷、右肩捻挫、両前腕筋部分損傷、左肋骨骨折などの傷害を負いました。
2 相談・依頼のきっかけ
「医師から症状固定の話がなされ、保険会社からも後遺障害の手続の話が来ている。
しかし、まだ首や腰に痛みが残っている状況にあり、今後どのようにしたらいいのか?」とのことでご相談を受けました。
当事務所の弁護士が、症状固定時期や、後遺障害等級の認定手続などについてご説明させていただいたところ、今後の対応をご依頼いただくことになりました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士は、依頼後直ちに、保険会社と治療継続の交渉を行い、今しばらく治療を続けることの了承を受けました。
その上で、必要な資料を揃え、後遺障害等級の認定申請の準備を進め、症状が固定した段階で、速やかに被害者請求で後遺障害等級の認定手続を行いました。
その結果、①頚部挫傷後の頚部痛等の症状について14級9号、②腰部挫傷後の腰部痛等の症状について14級9号、③背部挫傷後の背部痛等の症状について14級9号、これら①~③を併合して後遺障害併合14級の認定を受け、この時点で後遺障害14級の自賠責保険金75万円が支払われました。
そして、適切な金額での賠償金を獲得すべく、保険会社との示談交渉を行いました。
4 当事務所が関与した結果
保険会社は、当初、休業損害や後遺障害逸失利益を認めず、入院諸雑費や慰謝料の金額も裁判基準よりも低い金額を提示していました。
これに対し、当事務所の弁護士は、依頼者が専業主婦であり家事従事者にあたるため、休業損害や後遺障害逸失利益が発生することなどを主張して交渉を行いました。
その結果、休業損害、後遺障害逸失利益、入院諸雑費、慰謝料など全ての損害項目について、裁判基準によって算定された賠償金324万円を受領する内容での示談が成立しました。
受領済みの自賠責保険金75万円と合わせると、合計399万円の獲得となりました。
【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。
5 解決のポイント(所感)
症状固定前にご依頼をいただく場合には、適正な後遺障害等級の認定を受け、適正な賠償額を獲得するため、弁護士自身が、治療継続や後遺障害等級認定申請についてもしっかりとサポートし対応を行う必要があります。
今回は、そのようなサポートが実を結び、適正な賠償額での解決を実現することに成功しました。