１　事故発生

３０代の会社員の男性が、Uターンのために停止していた前車に続いて停止したところ、後続の加害者運転の自動車に衝突されるという追突事故に遭い、頚部挫傷、背部挫傷、腰部挫傷等の傷害を負いました。

２　相談・依頼のきっかけ

事故から３か月ほど経過した通院中の段階でご相談いただき、「保険会社とのやり取りを含め、今後の対応の全てをお願いしたい。」とのことで、ご依頼となりました。

３　当事務所の活動

ご依頼の後、事故から８か月ほど通院した段階でも、依頼者には首と背中と腰の痛み・手指のしびれの症状が残っている状態でした。
そこで、当事務所の弁護士は、依頼者には通院先の病院で後遺障害診断書を書いてもらうことを案内するとともに、依頼者に代わって必要書類を取り付けた上で、後遺障害等級認定申請（被害者請求）を行いました。
その結果、後遺障害併合１４級（頚部痛・手指のしびれの症状について１４級９号、腰部痛等の症状について１４級９号、背部痛等の症状について１４級９号で、併合１４級）の認定となりました。
この時点で、後遺障害併合１４級に対応する自賠責保険金７５万円を確保しました。
そして、当事務所の弁護士は、依頼者の同意を得た上で、裁判基準での適正な賠償金を獲得するため、裁判を提起しました。

４　当事務所が関与した結果

裁判では、保険会社の弁護士は、事故の前に、依頼者が首や腰の痛み・手指のしびれの症状で通院していた事実を指摘して、事故による怪我の治療期間としてはせいぜい１か月程度で十分であるとして、傷害に関する損害の大部分を否定してきました。
また、残存している首や腰の痛み・手指のしびれの症状も、事故による後遺障害ではないとして、後遺障害に関する損害を全て否定してきました。
これに対し、当事務所の弁護士は、事故前と事故後とでは、首や腰の痛み・手指のしびれの症状において、痛みの強さや痛みの出方に明らかな違いがあることや、仕事や日常生活への支障という面においても明らかな違いがあることなどを具体的に言葉で明確に表現して主張していきました。
そして、その主張の裏付けとなる医療記録、本人の陳述書、同居者の陳述書を提出して、首や腰の痛み、手指のしびれが事故による傷害、後遺障害であることの綿密な主張・立証を展開していきました。

その結果、事故の前には依頼者には既往症というような疾患はなく、事故後に治療し、現在も残存している首や腰の痛み・手指のしびれの症状は、事故による傷害、後遺障害であるとして、当事務所の弁護士が主張する内容のほぼ全てが裁判所に認められることとなりました。
裁判所からは、２４０万円の和解案が示され、この和解案に双方が応じたことで、和解成立となりました。
受領済みの自賠責保険金７５万円と合わせると、合計３１５万円の獲得となりました。

※上記の表の合計額は、２４０万円を超えていますが、保険会社が治療中に負担した休業損害の既払い額、自賠責保険金の受領がありますので、金額に矛盾はありません。

【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額（獲得合計額）を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。

５　解決のポイント（所感）

事故で負傷した部位と同じ部位を事故前にも治療していた場合、保険会社の弁護士が、事故による傷害ではないとか、事故による後遺障害ではないと争ってくる（相当因果関係を否定してくる）ケースは少なくありません。
しかし、本件のように、たとえ治療していた部位が同じでも、事故前と事故後とで症状の強さや出方、日常生活等への支障内容などが明らかに違う場合には、事故による傷害、後遺障害であることは否定されません。
本件では、この症状、支障内容などの違いを具体的に言葉で明確に表現して主張するとともに、医療記録や陳述書などの証拠を提出して綿密に主張・立証した結果、当事務所の弁護士が主張する内容のほぼ全てが裁判所に認められることとなりました。
また、保険会社の弁護士の主張を聞いた依頼者は、当初、賠償が受けられなくなるのではないかと不安を感じておりましたが、当事務所の弁護士が経験に基づいて話をして不安を取り除くことで、安心して裁判の経過を見守ることができたのではないかと思います。

６　お客様の声

長い間本当にありがとうございました。
対応もよくとても親身になって話を聞いてもらいました。
初めての経験で不安だったのですが、とても心強かったです。

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