平成29年3月17日、日本交通法学会・人身賠償補償研究会が東京で開催されました。
日本交通法学会は、当事務所の弁護士・木村哲也が正会員となっており、今回も出席して参りました。
研究会では、東京地方裁判所の交通専門部の裁判官による最近の交通事故訴訟の動向の説明、最新の交通事故関連の裁判例の紹介・解説が行われました。
東京地方裁判所の交通専門部では、ここ数年で交通事故訴訟が増加傾向にあり、さらに債務不存在確認訴訟の増加が目立った動向としてあるようです。
債務不存在確認訴訟とは、治療が長期化した場合や、保険金の不正請求が疑われる場合において、加害者側から被害者に対して、損害賠償義務が一定の金額を超えて(あるいは全く)存在しないことを確定させるために提起される類型の訴訟のことを言います。
この債務不存在確認訴訟は、確かに保険金の不正請求のケースや、よほど悪質な治療・示談の引き延ばしのケースではやむを得ないとしても、まだ治療中であるのにも関わらず、治療を打ち切らせるための方便として濫用的に提起されるケースも存在します。
当事務所でも被害者側で取り扱ったことがあるのですが、不当な債務不存在確認訴訟に対しては、徹底的に戦っていかなければなりません。
(弁護士・木村哲也)