後遺障害による逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という式により算出されます。
労働能力喪失期間とは、後遺障害により労働能力を喪失する期間のことですが、逸失利益の算定にあたっては、労働能力喪失期間の年数そのものではなく、その年数に対応するライプニッツ係数という数値を用います。
ライプニッツ係数とは、労働能力喪失期間の年数に対し、3%の中間利息を控除した数値のことです。
ライプニッツ係数は、3%の中間利息を控除するため、該当の年数よりも低い数値になります。例えば、5年ならば4.5797、10年ならば8.5302、20年ならば14.8775、30年ならば19.6004と、年数が長ければ長いほど、該当の年数とライプニッツ係数の開きが大きくなります。
なぜ、労働能力喪失期間の年数そのものではなく、3%の中間利息を控除したライプニッツ係数という数値を用いるのか?それは、逸失利益すなわち将来の減収は症状固定時から毎月、毎年発生するものであるのに対し、損害賠償ではこれを一括前倒しで受け取ることになるため、賠償金を利殖して利息を受け取ることも可能なのであって、不公平が生じるのではないかという問題があるためです。