高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)とは、脳血管の詰まり・出血や、交通事故などで頭部に激しい衝撃が加わり、脳に損傷を負うことによって発症する後遺障害です。
脳には知覚・記憶・判断・言語・情動などの機能(これらの脳の機能を「高次脳機能」と言います)がありますが、これらの脳の機能に障害が起きた状態のことを、高次脳機能障害と言います。
高次脳機能障害の症状には様々なものがあります。
以下に、主なものを挙げさせていただきました。
高次脳機能障害では、以下のほかにも、様々な症状が出ることがあります。
●記憶障害(新しいことが覚えられない、物を置いた場所を忘れるなど)
●注意障害(複数のことが同時に処理できない、集中力が欠如してミスが増えるなど)
●遂行機能障害(計画を立てて物事を処理していくことができないなど)
●社会的行動障害(一つのことに固執する、やる気・意欲の減退、感情がコントロールできないなど)
●病識欠如(自身が障害を持っていることについて理解できない)
●失行症(スムーズに身体の動作を行うことができない)
●失認症(知っている人の顔を見分けられない、見えている物が何なのか分からないなど)
●失語症(うまく話せない、聞かれたことにうまく答えられないなど)
●身体の麻痺
●性格の変化
●易疲労性(疲れやすい) など
高次脳機能障害では、被害者の精神面への影響を及ぼすことがあるほか、仕事や日常生活に大きな支障が出るケースが多いです。
交通事故で頭を強く打って、記憶力や集中力が低下した、感情のコントロールができなくなった、性格が変わってしまったなどと感じられる場合には、高次脳機能障害の可能性が高いです。