交通事故に遭った場合、交通事故の被害者は保険会社から損害賠償金を受け取るようになります。
この賠償金を適正な金額で受け取るためには、交通事故に遭遇した直後から適切な対応を取ることが非常に大切です。

しかし、交通事故被害者の方は、初めて交通事故にお遭いになられた場合であることが多く、交通事故直後からの適切な対応が必要であることをご存知でない方がほとんどです。

しかも、交通事故で心身共に傷ついたなか、被害者自身で対処にあたるというのは、大変なご負担と困難を伴います。
そのため、適正な賠償金を獲得するためには、交通事故後の適切な対処方法について、まずは交通事故問題の専門家にご相談いただくことが大切です。

ここでは、交通事故が発生した直後から、問題解決に至るまでの流れ、ならびに、交通事故後に取るべき適正な対処方法についてご説明させて頂きます。

①交通事故が発生したら、まずは警察に通報して示談は受けない!

交通事故に遭ってしまった場合は、まずは警察に通報しましょう。
もし警察に通報しなければ、『交通事故証明書』が発行されずに、交通事故の被害に遭ったことを証明することができなくなるおそれがあります。

交通事故証明書が発行されなかった場合は、交通事故被害者の方が本来受け取るはずであった保険金が支払われないという場合がありますので、十分に注意が必要です。
たとえ小さな事故でも、必ず警察に通報するようにしてください。

交通事故が起こると、加害者は引き起こした交通事故をなるべく大きな問題にしたくないという思いから、「警察には連絡をせずに、当事者同士で話し合い、内々で示談して済ませませんか?」という話を被害者に持ちかけてくることがあります。

しかし、このように示談を持ちかけられた場合は、「示談はできない」ときっぱり断りましょう。
加害者の話を聞くと、一見有利な条件を伝えられているように思っても、実際には示談を受けることで被害者にとってまず良いことはありません。

また、注意しなければならないのは、示談する場合には通常は示談書が作成されますが、その示談書には「示談書に定められた賠償金の額以上の請求権は放棄する」という条項が定められている場合がほとんどということです。

そのため、示談書を取り交わした後になって、示談書に記載された金額が不適切であることがわかっても、それ以上の賠償金額を取得できないのが原則となります。
もし、加害者から示談の誘いがあったとしても、絶対に示談は受けないようにしましょう。

②事故に関連する情報の確認、ならびに記録

交通事故に遭うと、気が動転して、何をどうすれば良いのか分からなくなるというケースが多いです。
人によっては、警察に連絡をすることすら動揺のあまり忘れてしまうこともあります。

冷静な対応を取るためにも、まずは交通事故問題の専門家である弁護士に相談をしましょう。
そして、適切な賠償金を獲得するためには、どのように対応すればよいのかを確認しましょう。

交通事故直後の対応としては、以下の情報を確認・記録することが重要になります。

●記録すべき交通事故の加害者情報

①氏名
②住所
③電話番号
④車のナンバー

もしも、交通事故現場に目撃者がいる場合は、その目撃者の方に後日事故の証人になってもらえるようにお願いした上で、加害者同様に氏名・住所・電話番号を教えてもらいましょう。

また、携帯電話のカメラでも十分なので、現場や車両の写真を撮影しておき、後日の損害賠償交渉や裁判において証拠として使えるように、大切に保存しておくことも重要です。

さらに、交通事故で怪我をした場合は、必ず「人身事故扱い」の届出をするようにしてください。
加害者から「全額賠償するから、人身事故扱いにしないでほしい」と頼まれたとか、当初痛みがないとかいう場合でも、安易に「物損事故扱い」にしてはいけません。

というのは、「人身事故扱い」であれば、警察は事故現場や事故状況についてきちんと実況見分(調査)を行い、その結果が実況見分調書という証拠として残ります。
安易に「物損事故扱い」にしてしまうと、このような証拠が残らず、後々事故状況などに争いが生じた場合に証明が苦しくなるケースがあります。

以上のように事故直後の対応を十分に行なった後は、交通事故の専門家である弁護士に問い合わせをし、事故後の対応に抜けや漏れが無いか再度確認を行うことが重要なポイントです。

そして、対応に抜けや漏れが無いことの確認を行った後には、交通事故で負った怪我の適切な治療、また、後遺障害の等級認定獲得のために、どのような行動すればよいのか相談しましょう。

当事務所では交通事故発生直後の症状固定前の段階から、適正な後遺障害の等級認定を獲得するためのサポートを実施しております。
まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

③病院での治療

交通事故で怪我を負い、少しでも痛みがある場合は、必ず病院に行きましょう。
そして、通院が必要な場合は、必ず通院しましょう。

もし、交通事故で怪我をしたために仕事を休む場合には、仕事上の不利益として、休業損害を保険会社に請求することができます。

また、通院で必要となる交通費や治療費の領収書は、全て大切に保管しておいて下さい。
後遺障害の等級認定は「医師からどのような治療を受けているのか」「どれぐらいの頻度で通院するのか」によって変わる場合もあります。

適切な治療を受けていないことを理由に、後遺障害等級の獲得が困難になるなど、本来ならば貰えるはずの賠償金を貰っていないケースもあり、実は損をしてしまっている場合があります。
このようなミスをしないためにも、まずは、交通事故の専門家である弁護士に相談し、適切な治療を受けて適正な賠償金を受け取れるようにしましょう。

④治療費・休業損害の打ち切り

ある日突然、治療費の打ち切りを保険会社から告げられ、お困りではありませんでしょうか?
交通事故で負った怪我が完治せず、通院中の状態であるにも関わらず、突然保険会社から一方的な形で治療費や休業損害の打ち切りを告げられることがあります。

初めてこのような状況に遭遇すると驚きふためき、保険会社の言い分を受け入れられてしまう方もいらっしゃるのが現実です。
しかし、弁護士が保険会社と交渉をすることで保険会社の対応が変わることがあります。
場合によっては、再び治療費の支払いを行ってもらえるようになったケースもあります。

保険会社から治療費や休業損害の打ち切りを告げられてお悩みの方は、すぐに弁護士に相談して下さい。

⑤症状固定

交通事故で怪我を負ってしまった後は、怪我の改善のために治療を行いますが、怪我によってはこの先治療を継続しても、それ以上の症状の改善が見込めず、あるいは症状が一進一退の状態となり、後遺障害(あるいは後遺症)が残る場合があります。
「症状固定」とは、このようにその後に治療を行なっても症状の改善が見られなくなった状態、あるいは症状が一進一退の状態となったことをいいます。

症状固定の診断がされると、後遺障害の等級認定を受けることができるようになります。
そして、その後に、後遺障害の等級に応じた賠償金を受けることができるようになります。

しかし、注意しなければならないのは、病院といっても全ての病院に交通事故や後遺障害に詳しい医師がいるわけではないということです。
同じ整形外科であっても、病院が異なれば、症状の診断が異なるケースもあります。

また、後遺障害の等級認定にあたっては、後遺障害に理解のある医師でなければ、後遺障害診断書の記入を適切に行ってくれないなど、適正な後遺障害の等級認定獲得のために適切なサポートしてくれないケースもあるのです。

⑥保険会社からの示談案提示

当事務所にご相談をされる方から、「保険会社から提示された示談案の内容がよく分からない…」「保険会社から賠償金額の提示がされたが、提示された金額に納得ができない…」といったご相談をよく頂きます。

交通事故問題に関わったことがなければあまり知らないことですが、実は賠償金の計算方法には3つの基準があります。
そして、保険会社が提示してくる賠償金は、交通事故の被害者の方が本来受け取ることができる金額より低く、適正な賠償金額でないことがほとんどです。
つまり、保険会社の提示を安易に受け入れてしまうと、被害者は損をする可能性が極めて高いのです。

当事務所ではご相談者の方の状況を十分お伺いさせて頂いた後に、本来受け取るべき適正な賠償金額を計算させて頂きます。
また、保険会社との交渉をご自身で行うのが難しいと感じていらっしゃる方については、弁護士が被害者の代理人となり、保険会社への対応を代行することも可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

なお、当事務所では、保険会社からの示談案提示がない段階からご依頼いただいた場合には、保険会社からの提示を待つことなく、弁護士が賠償請求額を算出して、示談交渉や訴訟に臨むという対応が基本です。

⑦示談交渉・訴訟

弁護士が交通事故被害者の代理人として、適正な賠償金を獲得するための示談交渉や訴訟を行います。

一般的には、弁護士が交渉すれば、保険会社は賠償金額を増額して再提示してきますが、裁判での賠償基準よりは低い金額であるという対応も少なくありません。
当事務所では、適切な賠償金を獲得することが交通事故被害者にとって最も重要と考えていますので、お客様のご希望や事案の性質にもよりますが、訴訟での解決を原則と位置付けて交通事故に取り組んでいます。

こちらのページでは、交通事故に遭ってから解決まで、弁護士がどのように交通事故の問題解決に関わっていくのかをご説明致しましたが、不明な点やさらにもっと詳しく知りたいことがある方は、当事務所までお気軽にお問合せ下さい。