代車使用料（レンタカー代）の賠償について

代車使用料（レンタカー代）とは

交通事故被害者としては、損傷を受けた車を修理に出している間、あるいは、新たに車を買い替えて納車されるまでの間、代車（レンタカー）を使用したいと希望することが多いでしょう。
特に、青森県などの地方都市では、自動車がなければ、日常生活や通勤などに支障があることがほとんどです。
この点、ディーラーや修理工場が無料の代車（レンタカー）を貸してくれる例もあります。
しかし、代車（レンタカー）の使用が有料となるのであれば、交通事故被害者としては、代車使用料（レンタカー代）を加害者側の保険会社に負担してもらうことを希望すると思います。
修理または買替に必要となる期間の代車使用料（レンタカー代）については、加害者側の保険会社に賠償（負担）してもらえるのが通常ですが、いくつか注意すべきポイントがありますので、以下でご説明させていただきます。

代車（レンタカー）の必要性

代車（レンタカー）の賠償が認められるためには、代車（レンタカー）がなければ日常生活や通勤などに支障があることが必要となります。
すなわち、バスや電車などの公共交通機関やタクシーの利用では不便が大きいと言えることが必要なのですが、青森県などの地方都市であれば、この意味での代車（レンタカー）の必要性は肯定されることが多いでしょう。
また、ご自身やご家族が他の自動車を保有していて、その自動車を活用すれば代車（レンタカー）を借りる必要がないという場合には、代車使用料（レンタカー代）の賠償は認められません。

代車（レンタカー）の使用期間

代車使用料（レンタカー代）の賠償が認められるのは、事故車両の修理または買替に必要な合理的期間の分に限られます。
事故車両を修理に出すのであれば、すぐに見積もりを取って修理に着手することが必要ですし、新たに車を買い替えるにしても、あまり時間をかけていてはいけません。
修理の場合であれば、修理工場の混雑や部品の調達困難などの特段の事情がなければ、１～２週間程度まで、買替の場合であれば、１か月～１か月半前後までが認められる目安であろうと考えられます。
もし代車（レンタカー）を通常よりも長期間使用する必要があるのであれば、前もって保険会社に事情を説明し、使用期間に関する調整をしておくのがよいでしょう。

代車（レンタカー）の車種・グレード

代車（レンタカー）の車種・グレードは、必ずしも事故車両と同じものである必要はないと考えられています。
事故で損傷を受けた高級外車の代車として、同ランクの高級外車を使用したケースにおいて、使用目的や期間からすると国産車でも十分代替できるとして、代車使用料（レンタカー代）の賠償が一部認められなかった裁判例も存在します。
高額な代車（レンタカー）の使用を考えている場合には、そのランクの代車（レンタカー）でなければ仕事に支障があるのかなどを、慎重に検討することが必要です。
そして、代車使用料（レンタカー代）を一部自己負担とされてしまうリスクを避けたい場合には、前もって保険会社との間で代車（レンタカー）として借りる車の車種・グレードについて話し合っておくのがよいでしょう。