平成28年1月4日、警察庁より、平成27年の全国の交通事故死亡者数(※)が4117 人となり、昨年の4113人から0.1%増加したことが発表されました。交通事故死亡者数は、昭和45年の1万6765人をピークに減少傾向となり、平成 8年には1万人を割り、平成13年以降は一貫して減少を続けてきましたが、15年ぶりの前年比増加となりました。
※事故発生から24時間以内に死亡した人数
これまで、交通事故死亡者数が、多少の増減はあれども減少の一途をたどってきたのは、①自動車の安全性の向上(エアバッグ、ABS、シートベルトなど)、②救急医療の体制強化、③飲酒運転の厳罰化などの複合効果による成果とされています。
これに対し、平成27年は、わずか4人ですが増加しています。
主な要因としては、交通事故における死亡率が高い高齢者の人口が増加していることなどが挙げられるとされています。
体力や運動能力が低下した高齢者は、事故に遭った場合の死亡率が若年層よりも高くなってしまいます。
当事務所にご相談・ご依頼いただく死亡事故についても、被害者が高齢者であるというケースが大半です。
高齢者の増加に合わせた対策の見直しが求められます。
(弁護士・木村哲也)