平成29年5月13日、日本交通法学会の定期総会・シンポジウムが東京で開催され、弁護士・木村哲也が出席してきました。
シンポジウムのテーマは、自動運転車による交通事故をめぐる様々な法的問題についてでした。
近年、国内外で自動運転車の実用化に向けた取り組みが活発に進められています。
米国のフォード社の発表では、2026年以降2031年頃までに個人向けに自動運転車の販売を開始する見通しとのことです。
自動運転車の本格導入は当分先のことですが、将来的な自動運転車の導入を想定した法的問題に関する議論は活発化しています。
すなわち、一言で自動運転車と言っても、人間が自動車の運転を制御して自動走行システムが走行を支援するレベルのものから、自動走行システムが完全に自動車の運行を引き受けるレベルのものまで、その技術レベルにはいくつかの段階があります。
そして、それぞれの技術レベルにおいて、自動運転車が交通事故を起こした際の責任の所在は、その車に搭乗する人間にあるのか、その車を作った自動車メーカー等にあるのかといった問題などが出てきます。
こうした法的問題については、現行の法律の解釈論だけでなく、立法による解決も不可欠であるとして、国内外で活発に議論が行われています。
また、自動運転車に対応するための新たな自動車保険の開発も検討されています。
シンポジウムでは、こうした自動運転車をめぐる法律問題に関する最新の議論の動向などを学習して参りました。
当事務所では、将来的な自動運転車の導入を見越して、今後とも、自動運転車をめぐる法律問題について、しっかりとフォローしていきたいと思います。
(弁護士・木村哲也)