1 事故発生

八戸市周辺郡部在住の70代の主婦が、道路横断中に自動車にはねられ、救急搬送されたものの、重症頭部外傷で亡くなられました。

2 相談・依頼のきっかけ

保険会社から示談の提示(2160万円)があったものの、ご遺族がインターネットなどで調べたところ、裁判基準と大きな金額の差があることを知り、「裁判基準による正当な損害賠償を受けたい」とのことで、相談・依頼されました。

3 当事務所の活動

裁判基準による正当な損害賠償金額を算出し、保険会社との示談交渉を開始しました。
また、保険会社から新たに過失相殺が主張される可能性が高いと判断したため、加害者の刑事裁判の記録を取り寄せ、丹念に検討しました。

その後、保険会社にも弁護士が付きましたが、わずかな増額を提示するのみで、到底ご遺族の納得を得られるものではなかったため、ご遺族の意向に沿って、裁判での決着を図ることとしました。

4 当事務所が関与した結果

主な争点は、逸失利益と死亡慰謝料の金額、そして過失の点でした。
逸失利益と死亡慰謝料の金額については、保険会社の不当な提示に対し、毅然として裁判基準を主張していった結果、裁判基準による正当な金額を獲得できました。

過失の点については、保険会社が被害者の過失を3割と主張したのに対し、刑事裁判の記録をもとに粘り強く争いました。
その結果、加害者の脇見運転による著しい過失が認められ、被害者の過失が1割減少しました。さらに、「事故現場が幹線道路にあたるから、被害者の過失が1割増加する」という保険会社の主張は退けられ、被害者の過失を保険会社の主張から合計2割減少させることに成功しました。
最終的に1800万円の増額(合計3960万円獲得)を勝ち取りました。

項目 保険会社の提示 当事務所介入後の結果
逸失利益 921万円 1841万円(主に基礎収入、生活費控除率の違い)
死亡慰謝料 1100万円 2400万円(平成28年以前における裁判基準の上限)
過失 30% 10%

【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。

5 解決のポイント(所感)

特に過失の点が裁判の最終段階まで厳しく争われました。
刑事記録の丹念な検討と、粘り強い対応により、有利な結果を得ることができました。