1 事故発生

八戸市在住の40代の会社員(男性)が、追突事故により、頚椎捻挫の傷害を負いました。

2 相談・依頼のきっかけ

「14級9号の後遺障害の認定を受け、保険会社から示談の提示があったが、妥当な金額かどうか知りたい」とのことで、相談されました。
保険会社の提示が裁判基準よりも低い額であることを説明すると、「示談交渉をお願いして、裁判基準での賠償を受けたい」とのことで、依頼されました。

3 当事務所の活動

お客様のご希望のとおり、裁判基準による損害賠償金額を算出し、妥当な金額の獲得に向けて、保険会社との示談交渉を行いました。

4 当事務所が関与した結果

まずは傷害慰謝料、逸失利益、後遺障害慰謝料の金額が争点でした。
さらに保険会社は、もともと頚椎に既往症があったとして、20%の素因減額を主張してきました。
医師の診断書等からすると、頚部の既往症による素因減額はやむを得ないと判断したため、まずは裁判基準による損害額の算出を絶対条件とし、さらに素因減額の割合を少しでも下げることを目指しました。
交渉の結果、まずは裁判基準による損害額の算出を認めさせました。
さらに素因減額の割合は、裁判例の調査を踏まえ、粘って5%譲歩させ、15%で決着しました。

項目 保険会社の提示 当事務所介入後の結果
傷害慰謝料 82万円 109万円
逸失利益 28万円 66万円
後遺障害慰謝料 40万円 110万円
素因減額 20% 15%

既払い金を除き、250万円を受領(91万円増額)することで解決しました。

【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。

5 解決のポイント(所感)

素因減額の割合をどう定めるかが、解決のポイントだったと思います。
全体では91万円の増額を獲得しましたが、そのうち19万円は素因減額の割合で5%の譲歩を得た結果です。
粘り強く交渉することが、より手厚い被害者救済につながるのだと思います。