1 事故発生
30代の会社員(男性)が、先行車に追随して停止中に追突された自動車事故により、頚部挫傷、背部挫傷、腰部挫傷の傷害を負いました。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は、症状固定後、頚部痛等の症状について14級9号、背部痛・腰部痛等の症状について14級9号、併合14級の後遺障害等級の認定を受けました。
後遺障害等級の認定手続は、当事務所とも関係のある士業事務所に依頼して被害者請求で行ったものであり、自賠責保険金75万円を受領したあと、同士業事務所の紹介で当事務所にご相談・ご依頼いただきました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士は、依頼者のご希望にしたがって、適正な金額の賠償を得るべく、裁判での解決を図ることとしました。
4 当事務所が関与した結果
裁判では、保険会社側の弁護士は、依頼者には後遺障害による減収はないとして、後遺障害逸失利益の発生を認めることは困難であるなどと主張してきました。
これに対して、当事務所の弁護士は、依頼者の仕事の内容から見ても、また実際にも、後遺障害により日々の業務に支障が生じていること、依頼者自身の努力によってその支障を補っていることを証拠とともに主張しました。
その結果、裁判所から、後遺障害逸失利益の発生は認められるとの前提で和解案が示されました。
そして、裁判基準による賠償金295万円を受領する内容での和解が成立しました。
受領済みの自賠責保険金75万円と合わせると、合計370万円の獲得となりました。
【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。
5 解決のポイント(所感)
裁判において、保険会社側の弁護士から、被害者が後遺障害を負っているにもかかわらず、収入が減っていないので逸失利益の損害賠償は認められないと主張されることがあります。
しかし、後遺障害によって仕事に支障が生じている場合や、被害者の努力によって収入を維持している場合、逸失利益が認められて当然です。
実務においても、仮に被害者において具体的な減収が生じていなかったとしても、実際に仕事に支障が生じており、被害者自身の努力によってその支障がカバーされている場合は、後遺障害逸失利益の発生が認められています。
本件では、依頼者の後遺障害の内容、仕事への支障と、それを依頼者がどのように補っているかについて証拠を挙げて示した結果、後遺障害逸失利益を含めた賠償金額で和解することができました。