1 事故発生
20代の男性が、同乗していた自動車の単独事故(運転者が加害者)により、亡くなられました。
2 相談・依頼のきっかけ
ご遺族の方は、「保険会社から、賠償の手続のためには他の法定相続人(元配偶者)の同意が必要と言われたが、自分から元配偶者に連絡するのは抵抗がある。」、「元配偶者への対応も含めて、賠償に関する手続の全てをお願いしたい。」とのことで、賠償請求手続をご依頼いただきました。
3 当事務所の活動
被害者の法定相続人が依頼者と元配偶者であったため、被害者本人の損害賠償請求権の相続を確定させる必要がありました。
元配偶者は、被害者や依頼者とは長年交流がありませんでした。
そこで、当事務所の弁護士は、元配偶者にすぐに連絡をとり、相続放棄を打診しました。
そうしたところ、元配偶者の承諾が得られ、相続放棄の手続が取られたことにより、損害賠償請求権の相続を依頼者単独に確定させることができました。
その上で、裁判基準での賠償金を満額獲得するべく、依頼者の同意のもと、速やかに訴訟を提起しました。
4 当事務所が関与した結果
裁判では、保険会社の弁護士は、死亡慰謝料や逸失利益を大幅に減額するための主張をしてきましたが、当事務所の弁護士による訴訟活動の結果、最終的に裁判基準で算定された合計7000万円を支払う内容での和解決着となりました。
主な損害項目の内訳は、以下のとおりとなりました。
主な賠償項目 | 当事務所介入による結果 |
---|---|
逸失利益 | 4200万円 |
死亡慰謝料 | 2500万円 |
調整金 | 180万円 |
※上記の金額は、いずれも裁判基準で認定されています。また、上記のほか、葬儀費用が実額で認められています。
【獲得額に関するご注意】
解決事例のご紹介においては、獲得額(獲得合計額)を記載させていただいておりますが、保険会社から医療機関に対して直接支払われる治療費等を含めない金額となっております。
他の事務所のサイトでは、こうした治療費等についても獲得額に含めて、金額を大きく見せている例が散見されます。
しかし、こうした治療費等はお客様の手元に残るものではなく、サイトを閲覧する方に誤解を与えかねないという点で、不適切な表記であると考えております。
そこで、当事務所では、お客様の手元に支払われる金額を獲得額として記載させていただいております。
5 解決のポイント(所感)
法定相続人が複数の場合、賠償金の請求の問題だけではなく、被害者本人の損害賠償請求権の相続の問題にも対処しなければなりません。
その場合、長年連絡を取っていない法定相続人や、連絡を取りたくないような法定相続人がいるケースでは、交通事故で家族を亡くした悲しみを抱える中で、所在調査を始めとする相続の問題にまで対応しなければならなくなり、余りに負担が大きくなります。
今回のご依頼では、こうした相続の問題についても、当事務所の弁護士が適切にサポートすることで、スムーズに、かつ速やかに依頼者単独の相続を確定させることができました。
そのうえで、損害賠償請求の訴訟を提起し、裁判基準での賠償金を満額獲得することができました。