死亡慰謝料とは、被害者が亡くなられた場合の精神的苦痛を金銭的に評価して賠償するものです。
死亡慰謝料は、亡くなられた被害者自身の慰謝料のほか、被害者の父母、配偶者、子についても、法律上固有の慰謝料が認められます。
被害者自身の慰謝料については、被害者の相続人が加害者に対して賠償請求することになります。
また、判例によると、被害者との間で上記の方(父母、配偶者、子)に準ずる強い関わりを持つ方についても、別途固有の慰謝料が認められます。
例えば、被害者の兄弟姉妹や内縁関係にある方などは、こうした固有の慰謝料が認められる可能性があります。
亡くなられた被害者自身の無念、および被害者に近しい方の悲しみや怒りが、死亡による慰謝料として認められるのです。
死亡慰謝料の金額については、次のように、被害者の方の属性に応じた一応の標準額があります。
一家の支柱・・・2800万円
母親、配偶者・・・2500万円
その他(独身の男女、子供、幼児等)・・・2000万円~2500万円
※この基準は死亡慰謝料の総額であり、被害者本人の死亡慰謝料に加え、被害者の父母、配偶者、子、およびそれに準ずる方の分も含まれています。
※平成28年以前は、母親・配偶者は2400万円、その他は2000万円~2200万円が基準とされていました。
ただし、この基準は一応の目安であり、個々の事情により、増減されることがあります。
例えば、飲酒運転やひき逃げなどの悪質な事故であれば、被害者の無念や、ご遺族の怒りや悲しみは通常よりも大きいと言えますから、死亡慰謝料の額は増額されることになります。
なお、保険会社が示談で提示してくる死亡慰謝料の金額は、裁判の基準よりも相当低い額です。
保険会社の提示を鵜呑みにすることなく、まずは交通事故に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。