加害者に対して謝罪してほしいと言うこと自体はできますが、謝罪を強要することはできません。
交通事故の被害に遭ったとき、加害者が誠意ある対応をしないまま、保険会社が対応窓口となってしまったために、加害者からの謝罪が何もないといったケースがままあります。
交通事故を起こしても、保険会社がすぐに対応窓口となってしまうので、加害者は保険会社に任せきりになり、謝罪をしないままになってしまうこともあります。
また、加害者に謝罪の意思がまったくない不誠実なケースも存在しますし、加害者が保険会社の担当者から「謝罪に行くと話がややこしくなるかもしれないので、控えてほしい」などと止められる場合もあります。
保険会社としては、加害者本人が謝罪に行った際に、保険会社としては支払ができない内容のことを独断で被害者に約束してしまうなどして、今後の対応に支障が出ることを避けたいなどといった思惑もあるのです。
このように、加害者からの謝罪がないと、被害者としては不満がたまるのは仕方のないことです。
しかし、気持ちの問題としてはもっともなことなのですが、被害者が加害者に対して謝罪を要求する権利があるとの法律上の根拠はありません。
謝罪をするか否かは、加害者の倫理観に委ねるしかないのです。
したがって、謝罪を求めてみること自体には直ちには問題がありませんが、執拗に謝罪を要求することは適切ではありません。
また、保険会社の頭越しに直接加害者に謝罪を要求していくことは、しないようにしてください。
あまりに過剰に謝罪の要求をしていると、保険会社が治療中の段階から加害者側に弁護士を付け、対応が硬直化してしまうことも考えられるのです。
したがって、加害者の謝罪に過度にこだわり過ぎることは、良い結果を招かず、得策とは言えません。