青森県にもアメリカ、中国、台湾、韓国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ、ネパール、パキスタンなど、様々な国籍の外国人が居住しています。
外国人が交通事故の被害に遭った場合、適用される法律、逸失利益、慰謝料の取り扱いが問題となりますので、以下でご説明させていただきます。
適用される法律
外国人が日本国内で交通事故の被害に遭った場合、法の適用に関する通則法17条により、日本の法律が適用されるのが原則です。
ただし、死亡事故の場合には、法の適用に関する通則法36条により、相続に関しては被害者の本国法が適用されますので、注意が必要です。
逸失利益
外国人の逸失利益は、基礎収入をどのように認定するかが問題となりやすいです。
日本の収入基準にするか、本国の収入基準にするか、という問題です。
この点、在留資格が永住者の場合、日本の収入基準を採用するものとされます。
一方で、一時滞在者の場合、在留可能期間は日本の収入基準を採用し、在留可能期間経過後は本国の収入基準を採用するものとされます(最高裁判所平成9年1月28日判決)。
慰謝料
傷害慰謝料は、永住者・一時滞在者とも、日本人と同様の基準とされます。
後遺障害慰謝料・死亡慰謝料は、永住者の場合には日本人と同様の基準とされます。
これに対し、一時滞在者の場合、本国の生活水準が日本よりも低ければ、日本人よりも低く算定されることが多いです(東京高等裁判所平成13年1月25日判決では、43歳のスリランカ人男性の死亡慰謝料が500万円と算定されました)。